相模原の寺社・文化財 -さがみはら百選-
相模原の長屋門
 江戸時代に建てられた長屋門、新田開拓農家が残っており、当地の歴史を知る上で貴重なものである。
 相模野では江戸時代、養蚕が盛んに行われその農家の主屋、長屋門が残っている。
また、相模野原野の新田開拓が活発であり、旧開拓農家主屋が今も残っている。

 上九沢の笹野家の長屋門、下溝の福田家の長屋門、上溝の清水家の旧主屋・長屋門、清新の大谷家の新田開拓農家、元橋本町の牛久保家の長屋門市登録有形文化財として保護されている。

笹野家の長屋門
笹野家の長屋門

 桁行6.5間(39尺)、梁行2間(12尺)で、中規模の長屋門である。軒は上部梁行梁の端部を持ち出してセガイの形式とし、手法としては新しいものだそうだ。
 屋根の現状はトタン葺きであるが、当初は茅葺と思われるという。

所在地:相模原市上九沢76
交  通:JR橋本駅南口からバス
問合先:文化財については、相模原市文化財保護室 042-769-8371


福田家の長屋門 [先頭へ戻る]

 桁行7.5間、梁行2間で、上部に2階を設けるため、軒高は15尺とかなり高くなっている。
 軒は上部梁行梁の両端部を張り出し、これに小板を張るセガイという形式で、19世紀から多く出てくる形式とのことである。

 屋根は修復しているが、当初は茅葺であったと思われる。

福田家の長屋門

所在地:相模原市下溝1980
交  通:JR原当麻駅北口から、約500メートル
問合先:文化財については、相模原市文化財保護室 042-769-8371


清水家の旧主屋・長屋門
清水家の旧主屋・長屋門 [先頭へ戻る]

 旧主屋・長屋門ともに19世紀中頃の建築と推定されている。主屋は上層農家の六間取と呼ばれる大型のものという。前面に二階を設け、屋根は土間側を兜造りとしている。

 これらは当地の養蚕の歴史をみる上で貴重なものだそうだ。
 長屋門は桁行65尺の長大なもので、堂々たる母屋にふさわしい。

所在地:相模原市上溝738
交  通:JR番田駅北口から、約500メートル
問合先:文化財については、相模原市文化財保護室 042-769-8371


大谷家旧主屋 [先頭へ戻る]
(清兵衛新田開拓農家)

 江戸時代末期の大規模な新田開発の開拓農家のものである。
 現在は、屋根はトタンに変えられ、柱の一部や囲炉裏は除かれて、物置として使用されているが、以前は入母屋造茅葺で、棟には菖蒲を植えていたという。
 桁行3間、梁行2.5間で、床上は間仕切りのない一室住居である。

大谷家旧主屋(清兵衛新田開拓農家)

所在地:相模原市清新2−15−1
交  通:JR相模原駅南口から、約1キロメートル
問合先:文化財については、相模原市文化財保護室 042-769-8371


清水家の旧主屋・長屋門
牛久保家の長屋門 [先頭へ戻る]

 この長屋門は近世末の建築と推定されます。桁行9.5間(約17.1メートル)、梁行2.5間(約4.5メートル)の堂々たる構えで、現存する相模原市の長屋門としては規模の大きな物です。
 両脇にある2本の太い柱の上に大きな天井を貼っています。軒のセガイは、柱に腕木をほぞ差(ほぞさし)とする古い形式となっています。部材も全体に太く、冠木(かぶき)の丈は1.4尺(42cm)、その上に乗る梁は約1尺(30cm)です。

所在地:相模原市元橋本町3−8
交  通:JR横浜線相原駅から、約800メートル
問合先:文化財については、相模原市文化財保護室 042-769-8371

参考文献:相模原市教育委員会「相模原の文化財」

 

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