相模原の教育研究・文化・スポーツ -さがみはら百選-
フィルムセンター相模原分館
  ここの「東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館」は、芸術的に優れた日本映画や外国映画作品はもちろん、歴史的・資料的に価値の高い映画フィルムを収蔵しているフィルム専用の保存館である。
正門入口
  フィルムセンターの前身は昭和27年(1952年)に設置された「国立近代美術館の映画部門(フィルムライブラリー)」。その後昭和45年(1970年)に至り、東京・京橋に「フィルムセンター」として開設されたものである。

  映画フィルムの専用保存施設としての相模原分館が完成したのは昭和61年(1986年)1月。昭和59年(1984年)10月に米軍キャンプ淵野辺跡地の土地所管換が大蔵省(当時)からなされたのを受けてのものであった。
所在地:相模原市高根3−1−4
交  通:JR淵野辺駅南口から約1キロメートル
問合先:フィルムセンター相模原分館 042-758-0128
     東京国立近代美術館フィルムセンター(東京・京橋) 03-3561-0823
(なお、相模原分館は一般非公開施設となっている)


  わが国唯一の国立映画機関である東京国立近代美術館フィルムセンターは次の3つの役割機能を持っており、そのうち(1)の「映画フィルムの保存」機能を当館が担っていることになる。

正門脇の標札盤(1)映画の博物館・資料館としての機能
  内外の映画フィルムや映画関係資料の網羅的な収集・保存・復元、刊行物の発行、映画文献の公開など。
(2)映画文化・芸術の拠点としての機能
  様々なテーマにあわせて行う特集上映や優秀映画鑑賞推進事業、映画文化・芸術の振興に関する諸事業の展開など。
(3)映画による国際交流の拠点としての機能
  国際フィルム・アーカイヴ連盟(FIFA)の正会員として毎年国際映画シンポジウムを開催するなど映画を通じた国際交流など。


世界有数の設備を誇る映画フィルム保存施設
  建物全景ここの保存施設は映画フィルムを長期間、良好な状態で保存するために必要な恒温恒湿の空調設備が完備されており、その技術的水準の高さは世界に誇るものであるといわれている。

  建物設計は、東京芸術劇場や銀座ソニービルなどを手掛けられ、「街並みの美学」で著名な故蘆原義信氏(平成15年9月死去)によるもの。

管理棟と映写ホール棟  深い緑の木立に囲まれた約1万5000平方メートルの総敷地面積の中に建てられた地上2階・地下2階の建物は、管理棟を中央にしてその左右にフィルム保存庫棟と映写ホール棟を備える構成となっている。(上右*)




  全体で18室からなる保存庫(地下二層式)の収蔵能力は、35ミリフィルムで約20万缶(長編映画に換算して約4万作品)。保存棚はフィルムが一缶ずつ収納できるように設計されており、個々のフィルム地下1階保存室フィルム缶の収蔵棚はジャンル別・形状別に分類のうえ収蔵されている。





  地下1階の各保存室内は室温10℃、湿度40%に設定され、白黒フィルムの保存に充てられている。

地下2階保存室
映画フィルムのひとコマ
* 「羅生門」1950年(黒澤明監督)

  地下2階は室温5℃、湿度40%の設定で、カラーフィルム及び原版が保存されている。

  また、酢酸臭を伴う化学変化の著しいフィルムについては、室温2℃、湿度35%に設定された専用室で特別な保存がなされている。

  なお、当館は一般非公開施設となっているが、敷地内の映写ホールにおいて1年に数回程度、市内小中学校の児童生徒を対象とした映写会が開催されており、生徒たちから好評を博している。


参考文献:リ−フレット「東京国立近代美術館フィルムセンター」ほか
*印写真提供:同フィルムセンター




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